日本の伝統的商習慣では、契約書の重要性は元来高くありませんでした。契約書で書かれたことより、契約者同士の約束が重んじられていました。その要因としては日本の社会構造が農耕社会をベースとした村社会であったことが挙げられます。村社会では村人たちが先祖代々同じ土地に住み、同じ畑を耕し、結婚をし、子孫を作りました。その地域全員が知り合いであったわけです。人間関係が近く、付き合いの深さも何十年と続くことで、全村人が親族に近い関係性を持っていたわけです。
その様な社会では、商売や売り買いをする時に、いちいちその条件を書き記してお互い確認をし、先に言ってのトラブルを回避する必要はありません。もっと簡単に、個人間の信用で全てが成り立つわけです。特に江戸時代前までは商売は単純であり、遠隔地との交易も盛んではありませんでした。江戸時代になり、船による輸送手段が発達し都には地方からの産品が入る様になりました。そうなると今までの様に、先祖から知っている関係の相手との商売でなくなります。また船による輸送なので、取引の成立から商品受け取りまでの時間も長くなります。届いていた商品が最初の約束と違っていたとか、約束通りの期日で届かなかったとか、支払いが当初の決まり通りになされなかったなど、いろいろな問題が生まれてきます。それらのトラブルを避けるために最初に決めた条件を紙に書いて、お互いの約束を守る、守らせる必要が生じてくるため、いわゆる契約書の考え方が生まれてきました。ただあくまでも日本人同士の商売であったので、根幹には村社会の発想が生きていました。つまり数回取引をしてあある程度の信頼関係ができると、契約書の概念が薄くなり、商売の実態が正確に紙に書かれなくなり、契約書は形骸化をします。私の経験では、日本人の契約の概念の根底にはその流れが現代でも生きていると思います。
一方、遊牧民族が多く存在していた西欧では全く違った変遷をたどりました。原則、取引を行う相手は見ず知らずの他人であり、考え方も同じでないわけで、面倒であっても自分が損をしないように、細かいことから最初に決めて同意をしておかなければいけない環境であったわけです。これにより早くから契約書の概念が生まれ、現代に続いています。特に250年ほど前に生まれた米国では、欧州の各地からの人々が移住し商売を始めたわけで、当然多くのトラブルが発生し、それらを少しでも円滑にするために、複雑な契約書を作成するという考え方が発達しました。今でも米国企業の契約書はページ数が多く、日本人的感覚では、こんなことまで想定するのか、と驚くことがしばしばです。
さてグローバル化が進み、契約に関して上記の様に大きく違う感覚を持った民族同士がビジネスを行うと何が起こるでしょうか?契約書に詳細をできるだけ規定してからビジネスを進める側と、そもそもビジネスは一定の信頼関係があるから始めるのだから、大枠は契約書に記してもほとんど起こる可能性が低い状況を想定していちいち契約書にそのことを書き込む必要はないと発想する側の大きな意識の食い違いです。
これまで数多くの契約書翻訳を扱ってきた弊社の経験でも、どちらの側が契約書のベースを用意するかで、この違いが明確に出て参ります。通常契約書はどちらかの会社がベース契約書を用意するのですが、欧米企業が用意した契約書(英語です)と日本企業が用意した契約書の内容の違いは明白です。翻訳作業は原文を忠実に翻訳するのが仕事ですが、特に欧米企業が作った契約書を和訳する際には、日本人発想では考えづらい状況を想定して条件設定することも多くあり、日本語訳を読む日本側の読み手にいかに伝わりやすい表現にしていくかを心がけております。
契約書はビジネスが進んで起こるであろうトラブル・リスク回避を目的としています。また裁判の証拠にも使われる可能性があり、作成する時には十分な注意と配慮が必要になります。ただ大事なことは多くのビジネスにおいて契約書がなくても契約は成立する点です。その場合、トラブルになった時には、言った、言わなかった、という争いになり泥沼化してしまうので、現代社会では、大きな取引のみならず、小さな取引でも契約書を作成した方が良いと思われます。法律によって契約内容を書面にて交付することが義務付けられている場合があり、下請法が適用される場合は親会社が下請け業者に対して取引内容を記載した文書・書面を発行する必要があります。その背景には、力関係が明らかに違う業者同士の取引においては、最初の条件と違う状況が発生した場合、力の弱い下請け業者を法律が守る必要があるからです。それがないと所謂下請け業者の泣き寝入りになるケースが多発します。
契約書は決まったフォーマットはありません。原則以下のことが盛り込まれている必要があるでしょう。
になります。現代では、売買契約書、守秘義務契約書、労働条件契約書、賃貸契約書、業務委託契約書、など企業間ビジネスの基本に関わる契約書のみならず、婚姻契約書、ペット保険契約書、の様に、現代の世相を反映した多くの契約書が存在します。
複雑な利権が絡み合った現代社会に生きる為には、面倒であっても将来になって後悔しないように、できる限り契約書を作成するべきであり、そこに自分の権利の主張を十分に盛り込む必要があるでしょう。
今週は4件の契約書翻訳のご依頼をいただきました。法律事務所様2件、大学様2件でした。ご依頼、誠にありがとうございました。
日本においてコロナ禍が広まって、早2年以上が過ぎました。最初はクルーズ船のダイヤモンドプリンセス号で発症が見つかり、大騒ぎになりましたが、その後のパンデミックの展開は、当時は誰も想像ができませんでした。皆様のご記憶の中からも忘れかけている方もおられると思います。今年になって欧米諸国ではウィズコロナ政策ということで、新規感染者数が激減しなくても、ワクチン接種の広まりと薬治療での対応、そして重症者が急増しない限り、通常の社会生活を取り戻そうと、マスク着用制限撤廃をしている国が多くなっています。私は最近米国を訪れましたが、屋外はもとより、屋内でもマスクをしている人がほとんどいなくなっています。その中に自分の身を置いて感じたことは、とても不思議な感覚になったことです。コロナ以前は考えたこともなかったのですが、今ではあまりにもマスク生活に慣れ、至る所で全員がマスクをし続けている日本からいきなり、マスク不要になった環境に入ると、新鮮なショックを受けます。何か落ち着きません。この様に既にコロナ以前の普通に戻している国々が多い中、今日本ではいつマスクを取ることができるかの議論が始まっています。心配性かつ慎重な国民性を持つ日本人社会では、マスクが不要になり多くの方々が実行するのは、まだまだ先の様な気がいたします。マスクを人前ではつけている方が安全で楽である、との意見も多く、外国とは違いマスク着用がお願いベースで広まった社会であるため、多くの方がマスクを完全に忘れる生活に戻るには長い期間がかかるでしょう。
今週は5件の契約書翻訳のご依頼をいただきました。法律事務所様3件、不動産関連会社様1件、そして個人様1件でした。ご依頼、誠にありがとうございました。
先週はG Wの為に、毎週土曜日に発行している週刊記事はお休みさせて頂きました。皆様はG Wをどのようにお過ごしされたでしょうか?3年ぶりに政府からの行動制限が無いG Wになった為、予想以上に多くの方が移動したようです。その結果、今週になって全国中で新規感染者数が増加しました。弊社は海外からの翻訳依頼を良く受けています。主に海外企業様が日本の提携先とビジネスを進めるに伴い、契約書締結が必要になる為です。コロナ禍が始まって以来、来日するビジネスマンの数はほとんど無くなりましたが、代わりにオンラインミーティングなどを通じてビジネスは中断することなく、続いています。ビジネスを開始する為には契約締結が必要となり、その為に英語の契約書を日本側マネジメント用に和訳する作業が出てきます。契約書翻訳では、英語で意味するところを正しく和訳する必要があります。そうで無いと日本側の経営判断が間違える可能性があるからです。それを防ぐために、弊社では経験豊富な多くの契約書翻訳者を抱えて、皆様のご依頼をお待ちしております。
今週は3件の契約書翻訳のご依頼をいただきました。貿易商社様1件、大学様1件、法律事務所様1件、そして個人様1件でした。ご依頼、誠にありがとうございました。
さてG Wが始まっています。3年ぶりにコロナへの制限がないG Wという事で、多くの方が旅行に出かけるようです。国内においては、今までは地方から東京へ旅行される方が東京での感染者数が多かったことから控えておられた様ですが、全国的に感染者数が減少傾向にあること、政府による制限が撤廃されていることから、多くの方が首都観光に訪れるとの予想があります。又、海外旅行もやっと底を打ったようで、人気のハワイについては、3年ぶりに飛行機の予約が混んでおり、今まで我慢をしていた方々が一気にハワイ旅行へ行かれるようです。感染者数次第ですが、今年後半に向けてより多くの方々が旅行をすると思います。
ただ気になるのが、原料費高騰による世界的物価高、さらに円安です。日本人旅行者は海外でのドル表示を円で換算して驚く事でしょう。アメリカのインフレは今年すでに8%と言われており、円はドルに対して10%以上切り下がっています。という事は、円ベースで比較すると昨年に比べ、すでに2割程度値上がりしていることになり、これからも石油価格高騰による経済のあらゆる面への影響がさらに出てきますので、今年後半では今までの常識を覆すような価格になっていく予想です。
弊社は契約書の翻訳を多く手掛けておりますが、海外企業と契約を交わすにあたり、為替に関する項目を詳細に記述しておくことがより大切になります。支払いは円か外貨か、いつの時点の為替レートを使用するのか、など先になって揉めないように慎重に契約文書を作成したいものです。
今週は4件の契約書翻訳のご依頼をいただきました。教育関連企業様1件、福祉施設関連企業様1件、貿易商社様1件、そして個人様1件でした。ご依頼、誠にありがとうございました。
ウィズコロナで進む世の中になってきました。欧米では今年初めから屋内での飲食時にもマスク不要になったり、ワクチン接種を終えていれば大規模コンサート、スポーツ観戦などへの参加も可能になっています。先週には米国では国内線のほぼ全線でフライト中もマスク不要になりました。一方中国ではゼロコロナ政策を維持しようとして、上海をはじめいくつかの都市で都市封鎖などを行い、引き続き強い引き締め政策をとっています。人口2400万人の上海では、多くの市民が数十日外出できず、食料調達にも困っている様です。
さて日本ですが、世界的尺度から見ると、緩いウィズコロナ対策になっていると言えるでしょう。いつものように政府が指針を明確に示したわけではありませんが、極めて日本的に何となく、この方針で進んでいる様です。最近の世論調査でも、マスクはしばらくは外したくないという意見が大半を占め、欧米のように、コロナを制した証の象徴としてのNO MASKを歓迎する意見はありません。でも確実にコロナ前に戻りつつある様です。特にこれからのゴールデンウィークと夏休みの旅行需要の高まりが顕著の様で、国内に関しては今回のゴールデンウィークは3年ぶりのコロナ規制なしになり、新幹線、飛行機の予約はかなり埋まっています。また海外でもハワイをはじめ、ウクライナ紛争できな臭い応酬を除き、アメリカ・アジア方面で客足が戻りつつあるとの事です。2年以上に渡り行動を自粛していた全国民が今年後半には、一気に動き始めそうで、あらゆるところが混雑するでしょう。コロナの新種が現れないことを祈ります。
今週は6件の契約書翻訳のご依頼をいただきました。石油関連企業様2件、大学様2件、福祉施設関連企業様1件、そして個人様1件でした。ご依頼、誠にありがとうございました。
契約書の翻訳をしていると、意訳と直訳のどちらを選択すべきか迷うことがあります。契約書の場合、法律関連初め専門用語が多々あり硬い文章で書かれていることが多く、また原文に書かれていることを忠実に漏れなく翻訳する為に原則は直訳を致します。ただ特に英語契約書の和訳の場合にあるのですが、1センテンスが長い文書で、それを日本語に直訳すると非常に理解しにくい日本文になることがあります。英語契約書では、特に弁護士が書いた場合、将来起きるかも知れない多くの可能性を取り上げ、それに対する対応をできる限り文書にしておく、という習慣があります。長い文では、10行くらいに渡る1文があることがあり、それをそのまま日本文にすると、ダラダラとした読みづらい、読んでいる内に何を言っているのかわからなくなる様な場合があり、翻訳者泣かせのケースです。通常は文章を分割して、2文か3文にするのですが、気をつけないと主語や述語の位置によって、原文が意味していることが日本文では違った意味になることもあります。経験豊富な翻訳者は、少し意訳をして、日本文で読んだ時に、原文の意味を正確に残しながら、読み手が難解にならない翻訳文を仕上げることができます。弊社においても、この様な翻訳技術を持った翻訳者を多く抱え、お客様のご依頼に高い品質で翻訳作業を行なっております。
今週は3件の契約書翻訳のご依頼をいただきました。法律事務所様2件、そして個人様1件でした。ご依頼、誠にありがとうございました。
最近は全国民がコロナ慣れになっている様で、第7波が始まっているのではとの専門家からの報告に対し、世の中の反応は過去と大きく違っています。テレビや新聞などが取り上げる頻度も少なくなっていますし、発信される内容も薄くなっています。外国の例を見ると規制を緩和すると、ほとんどの場合新規感染者数は増加します。それでも政府がウィズコロナ政策を明確にし国民の世論の合意をとっている様ですが、日本ではその明確な方向づけがされているとは思えません。何となくウィズコロナ、何となくできればゼロコロナ、という位置づけの様です。その方向性で世論の合意形成をしておかないと、感染者数が少し増えると大変だ、と騒ぎ、反対に感染者数が減ってくるともっと減らしたい、と世論が都度動くことになり、国民の心理状態が安定しません。政府にはコロナに対する方向性を明確に示してもらい、国民を説得し世論形成を図ってもらいたいです。今週の3件の契約書翻訳のご発注内容はいずれもコロナに関連する案件でした。従業員がコロナに感染したり、濃厚接触者に認定されると企業は規則に沿って対策をとる必要があります。ただ人手の不足している中小企業では通常の企業活動に支障をきたすことがあり、できる限り従業員に仕事に出てきてほしいとの希望があり、どこまで規則を従順に守るべきか迷っている会社も多い様です。そこで会社としてのルールを明確にする為、弁護士にルール明確化の文書を作成依頼した案件でした。その内容も上述したように、日本における基本方針がウィズコロナであるのか、できればゼロコロナなのかにより、対応がかなり違ってきます。
今週は7件の契約書翻訳のご依頼をいただきました。石油燃料関連会社様1件、法律事務所様2件、薬品関連会社様2件、そして個人様2件でした。ご依頼、誠にありがとうございました。
桜が満開になっています。毎年思うのですが、桜が咲きだすと全ての日本人は笑顔になり、世の中が希望に満ちた明るい未来に向かっている感覚になります。新年度の始まり、新学期の始まり、それに伴う転勤、新生活、クラス替えと新しい友人、などなど、昔から初物を好む日本人の魂に響きます。毎年やってくるこの時期なのですが、何度経験しても、都度フレッシュさを繰り返し感じることができます。一方現実の世界に目を向けると、コロナがまだまだ蔓延していますし、ウクライナ情勢も先読みができず不安な毎日が過ぎています。この2つの大事件が2022年もそしてその先の私たちの未来に大きな影響を当てることは必至です。契約書翻訳関連のご依頼にも、毎回書かせていただいている様に、これらの影響が出ています。医療・医学・薬学関連の翻訳原稿に加え、石油燃料関連の契約、金価格高騰とルーブル価格急落による世界金融への衝撃による保険契約など、少しづつですが、ウクライナ関連の影響を思わせる案件が入っております。多くのメディアが伝えているように、世界的レベルでの物価高が今後大きな社会問題となるでしょう。特に生活必需品の多くの値上がりが直接、間接に人々に与える影響は計り知れません。以前にも述べましたが、第2時世界大戦以降、世界同時での戦争が長期間起きていませんでした。これは人類の歴史の中で初めての体験です。そのため資本主義経済の疲弊とその悪影響、グローバル経済の行き過ぎ、格差の広まりなど、未経験の難題が山積しています。過去においては世界大戦にて多くのもの(政治的、経済的)が破壊され、その復興から発展を進めてきました。そして都度過去よりも大きい発展となりました。もしかすると人類は定期的に大きな破壊と発展を繰り返す運命にあるのかもしれません。そしてその先により発展があるのかもしれません。歴史は繰り返す、です。ただその渦中ではとても悲惨な状況が起こり、多くの悲劇を味わねばなりません。個人的には避けたいですが、人類の叡智では止めることのできないパラダイムとも思えます。
今週は4件の契約書翻訳のご依頼をいただきました。ホテル・旅館業関連企業様2件、法律事務所様1件、そして不動産関連企業様1件でした。ご依頼、誠にありがとうございました
この中でホテル・旅館業関連企業様の案件を紹介いたします。日本にはおよそ5万件の宿泊施設があります。客室数ではおよそ1.8百万室です。ホテル数、旅館数でもトップが長野県、続いて北海道、東京の順になっています。特に東京では2020年の東京オリンピック・パラリンピックを目指して2016年ごろから宿泊施設の建設・改装が進みました。大型都市型ホテルをはじめ、中小のホテル・旅館・宿泊所も増加したのですが、オリンピックの1年延期と無観客開催、そして世界的コロナ蔓延の長期化による緊急事態宣言、まん延防止法の長期化により、どの業者も踏んだり蹴ったりの状況が続いています。大型ホテルでは結婚式の激減による影響も大きいとのことです。今週やっと全国一斉にまん延防止法が解除され、春休み、卒業、新入学、転勤、桜の開花、など一気に人の流れが加速される環境になりました。ホテル・旅館業界では今までの損失を取り返すべく、プロモーションに力が入っている様です。そこで今週頂いた外資系ホテルの契約書の翻訳作業では、まさにこのプロモーションをホテルマネジメントと広告会社が進めるに当たって詳細を決める内容でした。外資系ホテルの多くは重要な決定(費用が張る活動や人事)に関しては、本社の承認を取ることが多く、契約の細かい内容や費用などを本社メンバーがわかる様英訳をすることになります。弊社ではお客様の仕事が円滑に流れるように、納期厳守にて緻密な翻訳作業をさせていただいております。
今週は5件の契約書翻訳のご依頼をいただきました。広告関連企業様2件、商社様1件、法律事務所様1件、そして不動産関連企業様1件でした。ご依頼、誠にありがとうございました。
今週ご依頼を受けた案件の中で、法律事務所様からの案件は離婚訴訟に関するものでした。国際結婚を数年前にされたご夫婦で旦那様がフィリピン人、奥様が日本人で、現在アメリカに住んでおられます。子供は二人です。婚姻届はアメリカで提出されている為、今回の離婚訴訟もアメリカで進んでいます。調停にあたり奥様の方は日本から各種の資料・証明を取り寄せる必要があり、日本の弁護士事務所にその依頼がありました。その英訳を弊社が引き受けた案件になります。離婚の場合主に焦点になるのが、親権、養育費、財産分割をどの様にするかです。親権は父親方、母親方双方が主張することが多い様ですが、裁判所としては子供の現在の生活と将来を含め、どちらに親権を与えた方が子供にとってより良い人生を送ることができるのか、を判断します。その為にそれぞれの収入・財産、住んでいる場所、仕事の内容、家系・親族関係、など多角的な資料を提出することになり、今回の場合奥様が結婚以前は日本に居住されていたので、日本から多くの資料をアメリカの裁判所用に提出することになりました。ちなみにアメリカでは2組の夫婦のうち1組が離婚すると長く言われてきましたが、最近の傾向として離婚率は低下している様です。一方日本の離婚率は直近30年の平均では3組に1組が離婚している様です。今後日本の離婚率は増加していくと考えられており、アメリカと同程度になるかもしれません。世界で1番の離婚大国はロシア、そしてアメリカ、韓国、ヨーロッパ主要国と続きます。
弊社では契約書をはじめ、法律分野の翻訳を多数手掛けており、法律事務所様からのご依頼をお待ちしております。
今週は4件の契約書翻訳のご依頼をいただきました。貿易関連企業様2件、製造業様1件、法律事務所様1件でした。ご依頼、誠にありがとうございました。
貿易関連企業様からの翻訳案件は、世相を反映して食品原料の輸入に関する案件でした。ロシアのウクライナ侵攻で世界の経済バランスが大きく崩れ、石油価格高騰と共に、小麦粉などの価格が大きく動いています。貿易取引では通常年間取引量や金額などの大枠が明記されることが多いのですが、今回の事件でそれらを守ることができなくなる可能性が強まっています。そこで、先読みをして、すでに契約した内容を変更する動きが出ており、その流れを汲んで輸入商社が輸出企業に対し新たな契約を進めている様です。この2年間、世界は新型コロナに翻弄されてきました。そしてワクチンの広まりと経口薬の登場でこのパンデミックの終わりが見えてきた途端、今度は一歩間違えると第三次世界大戦にも繋がりかねない事件がウクライナで起こりました。2020年台になって世界中同時に巻き込まれる大きな出来事が続いています。
戦争に関して言えば、第2次大戦が終了してから70年以上に渡り、世界大戦はありませんでした。地域紛争を除いて、歴史上これだけ長い間戦争がなかった時代はありません。人類にとって初めての経験になるのですが、ここにきてそのバランスが崩れかけています。専制主義と民主主義という対立で語られることもありますが、人類の叡智で持って乗り越えたいものです。
今週は5件の契約書翻訳のご依頼をいただきました。製造業様3件、法律事務所様1件、そして個人様1件でした。ご依頼、誠にありがとうございました。
冬季パラリンピックが開幕しました。今回は第13回です。冬季オリンピックに比べるとその歴史は浅く、1976年のスウェーデン大会から始まり、夏季オリンピック・パラリンピックと隔年で4年ごとに開催されています。冬季オリンピックではアルペン競技では日本選手は活躍がありませんが、冬季パラリンピックでは反対に大活躍しています。コロナの影響で夏季オリンピック・パラリンピック東京大会が2021年開催となったため、その翌年に夏季オリンピック・パラリンピックが行われることになりました。結果半年間隔でアジアで夏季と冬季のオリパラが行われたことになります。これは歴史上初めてです。
一方今回の北京冬季大会が少し異様であるのは、ロシアのフィギュアスケートドーピング問題と同じくロシアのウクライナ侵攻が開催と同時期に起こったことです。表に出てこない事情が多くあると推察しますが、本当にスポーツを純粋に競い合う環境が崩れたことは大変遺憾に思います。一握りの人達や団体により世界中のほとんどの人達が困惑することになっており、その責任には重いものがあります。
契約書翻訳の世界でも少なからずその影響を受けています。ご依頼される契約書の中には間接的ですが、これらの世相を反映する内容があり、弊社としては、世の中の事情を幅広く知識として持ちながら、翻訳作業を進めております。
今週は3件の契約書翻訳のご依頼をいただきました。ご依頼、誠にありがとうございました。
ウクライナを巡って歴史が変わろうとしています。世界中のほとんどの人達が、まさか戦争が起きるはずはないであろう、と考えていた様ですが、ロシア軍が侵攻をしました。ウクライナ国内でも、西側各国の首脳達でも希望を含め、実戦にはならないとの報道が主な流れでした。それを最も簡単にプーチン大統領は覆したのです。現在進行形であり、侵攻が始まってからまだ数日なので、断片的に色々な情報が飛び交っていて、何が本当であり、何が偽であるかの見極めは難しいと思います。ただ動かせない事実は、ロシア軍が戦車、ミサイル、歩兵の進軍という総力戦で進行したことです。ロシアとウクライナの間では兵力には大きな差があり、一時的な勝利は明らかですが、内戦状態になり、各地でウクライナ人達が抵抗を始めれば、中東での紛争やアフガニスタンで起きた様に長期戦になることも予想されます。ロシアとしてはそうなる前に、一気に力で制圧して、交渉を有利に進める作戦と思われます。
契約書翻訳という仕事から見るとこの紛争は直接的な影響はないのですが、このロシアの動きに関連して、世界の石油事情の変化、SWIFTという金融システムからロシアを締め出すことで起きる経済変化、対ロシア貿易への影響など、波及する分野はかなり広く、各企業が進めている契約への影響は次第に出てくると考えられます。
いずれにしても、どんなに技術や科学が発達しても、人類の叡智がそれらの発達と歩調を合わせるのでなく、旧態依然とした領土拡張という古代から人類が持っている基本欲求を捨て去ることはできないのでしょう。ウクライナへの武器を使ったロシアの侵攻という歴史的現実を目の当たりにして、つくづく感じております。
今週は8件の契約書翻訳のご依頼をいただきました。ご依頼、誠にありがとうございました。
4件は法律事務所様から、3件は一部上場大企業様、そしてもう1件は個人様からでした。個人様からは契約書関連の翻訳のご依頼は少ないのですが、今回は、以下の様な案件でしたので紹介いたします。
このお客様はハワイでコンドミニアムを購入する予定があり、現地の不動産会社と直接交渉をされています。当然全ての書類は英語です。アメリカの不動産売買は日本とはかなり進め方が違っています。まずは売り出し物件のオーナー側の不動産業者を通じて価格の交渉をする必要があります。アメリカは不動産売買においてもかなり合理的で透明性の高いシステムが確立されており、不動産業者が隠して持っている物件というのは原則存在しません。誰でも公平に見ることができるシステムで管理されており、各物件の比較検討が容易にできます。今回のご依頼では、すでに価格交渉が締結していて、契約に進むにあたり契約書が送られてきました。売買契約、エスクロー契約など複数の契約があり、英語契約書の内容を間違いなく理解するために、弊社への依頼となりました。アメリカにおける不動産売買の経験がある翻訳者が作業に当たり、品質の高い和訳を納品することができ、お客様には大変満足いただけました。
今週は6件の契約書翻訳のご依頼をいただきました。薬品関連会社様2件、IT関連会社様2件、特許関連企業様2件でした。広い分野からのご依頼、誠にありがとうございました。
北京オリンピックが毎日盛り上がっています。17日間の開催期間に繰り広げられる競技は7競技で、全部で120ほどの種目があります。日本選手の活躍も連日報道されていますが、今大会で国際的に大きな注目が集まっているのは、不平等な判定や規則、不明確な規定に対する問題でしょう。冬の大会は夏に比べ、器具・用具を使用しての競技が多く、さまざまな制限がそれらの器具に加えられています。例えば、ジャンプ競技では使用するスキー板の長さ制限があり、現在の規則では身長に対し1.46倍を超えてはいけないとなっています。以前は身長プラス80cmでした。結果、昔に比べ背の低い日本の選手には不利になる規定です。スキー板は長いほど滑走スピードが出て、空中での浮力も得られやすいのです。長野オリンピックで日本人がメダルを独占したことで、国際ルールが見直され、日本人ジャンパーが不利になる様なルール変更になったそうです。さらにジャンプの選手が着用するスーツにも細かい規定があり、それに違反していないかどうかをチェックする体制や計測方法なども明確でないようです。よって違反と判定された時、その説明理由が全ての人を納得させることができず、ブラックボックスに封じ込められるような結末になっています。
聞くところでは、自分の国が有利になるようにルール変更をする為、各種スポーツの国際競技団体の中で常に協議があり、力関係(金銭的な理由も含む)で変更がなされ、そのために不公平であったり、納得のいかない、すっきりしないルールになることもあるとの事です。冬のスポーツは歴史的に欧州が中心に発展してきましたので、欧州各国の力が強く、変更も欧州選手に有利なように度々変更されてきました。日本人選手は常に変更されたルールに適用するように練習をし、改善し闘っているようです。
契約書の翻訳を通じても、欧州企業のルールや基準に対する執念の強さを感じることができます。ビジネスの進め方の根本ルールを自分達に少しでも有利になるよう、契約を通じて主張して、それを相手に飲ませるまで交渉してまとめ上げる力量は、一般に日本をはじめとするアジア系民族では劣っているでしょう。欧州の中でも外交が巧みであるとされる、英国とフランスはその面での2大大国と言えます。歴史・文化の違いが大元にあるとはいえ、日本人も適用力を磨くだけでなく、もっと基準づくりに関して注力をすべきと感じています。
今週は5件の契約書翻訳のご依頼をいただきました。法律事務所様3件、中小企業様1件、病院関係1件でした。広い分野からのご依頼、誠にありがとうございました。
契約書翻訳と国際情勢の関連ですが、一見直接の関連はないように感じられます。ただ間接的には国際情勢が契約書翻訳のご依頼につながっているケースもございます。最近では世界的な石油価格高騰です。大きな流れの説明としては、コロナ感染が世界に蔓延し始めてから2年以上が経ちますが、欧米中心にワクチン接種が進んだことから、コロナとの共存社会のあり方が模索され、多くの主要国ではコロナはいわゆる風邪の一種として扱う社会世論形成がされつつあります。昨年末よりこの方向性が明確になりポストコロナ社会で経済が回復するであろうとの予測から、あらゆる製品の原料・燃料として使用される石油への需要が一気に回復すると予想され、価格が高騰しています。その指標はWTIと言われる原油先物指数で、2年前に1バレルUS$20程度であったのが、今年に入ってUS$80を超え、先週末ではUS$90になりました。マーケット予想ではUS$100も超えるのではと言われています。いわゆる相場商品の典型です。さらにウクライナをめぐるNATOとロシアの対立の行方によってもWTI価格は大きく影響を受けるでしょう。
さて契約書翻訳との関連ですが、今年になってから石油関連の契約書のお問合せが多くなっております。具体的には、石油元売りと石油製品購入業者(ガソリンスタンド、プラスチック製品製造会社、繊維製品製造会社)の間の契約の見直しや、海外の石油ブローカーと国内業者の契約がそれらに当たります。もし国際間の観光が自由になれば、航空機燃料という巨大マーケットが回復になり、さらにWTI相場が動く要因になります。
この様に、契約書翻訳のマーケットも国際情勢に左右されております。
今週は6件の契約書翻訳のご依頼をいただきました。内訳は法律事務所様2件、スポーツジム運営会社様1件、不動産業様1件、中小企業様1件、個人様1件でした。広い分野からのご依頼、誠にありがとうございました。
今週金曜日から北京で第24回冬季オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。昨年の東京での夏季オリンピックに次いでコロナ感染症が蔓延している中での開催になりますが、メディアからの情報によると中国政府の感染症対策の徹底ぶりには、驚かされます。オリンピック関係者はバブルの中に完全に閉じ込められ、一歩もその外へ出ることが禁止されています。東京大会でも考え方は同じでしたが、外国メディアや一部の選手はバブル外にあるコンビニや飲食店に出入りをしていました。それに対し、北京では全くその様な行為はできないようで、万が一外出が見つかれば、かなり重いペナルティになる様です。感染症対策のお手本と言える政策が実行できるのは、中央政権が専制政治体制を敷いていることの利点でしょう。人口14億の国をまとめるには、強い政権が社会全体を締めておく必要があるのかも知れません。日本からは6競技に122名の選手が参加するそうです。彼らの活躍に期待が集まります。
今回の北京大会に関連した契約書翻訳のご依頼を数件、弊社でも扱いました。主にスポンサー企業様の契約で、日英翻訳になります。ただアメリカ始め西欧諸国の政治的ボイコットが実行される中、日本のスポンサー企業は北京大会公式スポンサーであることを控え目に扱っており、テレビのCMなどでもほとんど訴求していません。多くの日本人にはどの企業がスポンサーになっているか、知られていません。以前よりオリンピックは政治的施策と切り離されるべきである、と言われ続けていますが、現実には常に政治の道具として使われています。人間が持つ基本的資質を考えると、今後も変わらないのでしょう。
いずれにしてもスポーツは観る人を興奮させ、新鮮な驚き、喜びを与えてくれます。それがスポーツの大きな魅力であり、北京大会を楽しみたいと思います。
今週は2件の契約書翻訳のご依頼をいただきました。ご発注頂いたお客様、有難うございました。内訳は、老人介護施設様1件、中小企業様1件でした。
日本ではオミクロン株による感染が急激に広まっており、1ヶ月遅れで欧米がたどった道を歩んでいるようです。昨年10月以降、専門家でもその要因がわからぬまま日本の感染者数は一気に低水準となり、国全体が日本の感染対策は他国と違い大成功であったと自画自賛していました。それが1月になり反転して、やはり日本も諸外国と同じであることが証明されています。昨年後半の水際対策はうまく機能し、感染の速度を緩和したようですが、結局その間にワクチン接種などの対策を進めることをせず、時間稼ぎは役に立たなかったと言えるでしょう。
コロナと共存政策を進める欧米諸国、特にアングロサクソンの英国と米国、の政策と日本のそれは、文化的背景、国民感情から大きく違っています。日本はできるだけ感染者を抑え込む政策をとり続けています。それにより病院施設の不足、医療体制の崩壊など行き詰まり感があります。メディアでは専門家達がどちらが良い・悪いとの議論を活発にしていますが、背景にある国民感覚が全く違うため、どちらの政策が正しい、間違えている、とは言えません。それぞれの国で多くの国民が受け入れることができる政策で走るしかありません。
結果、日本では飲食店を中心に政府の対策に翻弄されています。旅行関連産業や飲食店に物品を卸している各種業界、などなど裾野は広く、翻訳業界もその中に入ります。インバンドの壊滅は翻訳案件の減少につながります。一般産業界の活動の鈍化も、外注費削減を行う企業様からのご依頼の低下になります。
先進国においてはオミクロン株の感染が一服すると、いよいよコロナも単なる風の一種になるであろう、との予測はありますが、発展途上国でも同時に治っていくのか誰にもわかっていません。世界的な終焉がどのくらい先になるか、希望的観測、悲観的観測がありますが、残念ながら現代の人間の科学力ではわからないようです。
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。
今週はお正月の休みが前半にありましたので、契約書翻訳関連のご発注は1件のみいただきました。分野は薬品販売に関する契約書翻訳でした。新年早々のご依頼、誠に有難うございます。
新型コロナ禍が続いており、すでに3年目になりました。日本ではオミクロン株を中心とした第六波が始まっています。一方、海外先進国を見ると11月終わり頃から今回の波が始まり、年末から年始にかけてピークを迎えている様です。日本のメディアが毎日伝えているように、海外ではコロナとの共存、日本では少しでもコロナに罹らないようにとの考え方で政策が打たれています。ここに欧米文化と日本文化の大きな違いを見ることができます。
翻訳においても、この文化的相違を十分に理解しておかないと正しい翻訳をすることができません。いわゆる異文化理解です。言語表現の場合、直接的な表現が多い英語と間接的な表現が多い日本語ですが、翻訳ではこの発想の違う2つの言語を扱うわけです。例えば日本語では主語が省かれた文章は一般的に使われますが、英語では原則主語をはっきりさせた構文になります。日英訳の場合は、日本語原文に主語がない場合、主語が何であるかをきちんと把握して英文を作る必要があります。反対に、英日訳の場合は、英語原文には主語が明確にありますが、翻訳和文でそれを全て日本語に入れ込むと煩雑な日本文になってしまします。そこで主語を省いても分かり良いに本文に訳す必要があるわけです。
このように、大きく違う2言語の翻訳作業は言語力に加え、想像力を駆使することでより良い翻訳文となるのです。
弊社の翻訳者達は異文化を常に意識しながら、単なる文章直訳でない翻訳に努めております。
今週は2件の契約書翻訳関連のご発注をいただきました。分野は2件とも販売代理権に関する契約書翻訳でした。誠に有難うございます。
契約書の翻訳においては、いくつか注意することがあります。まず英文契約書(英語から日本語への翻訳)では、条項が多いのでそれぞれのリスクを検討し、それらに対する自社側の意見を検討し、対処法を明確にすることです。弊社の翻訳作業では、原文が述べていることを正確に訳だし致しますので、お客様の側では真摯に面倒がらずに、それぞれの条項について一つずつ検討ください。また英語文化の契約に対する考え方として性悪説に基づいています。歴史的、文化的にも違う相手とビジネス条件を決めるわけなので、常に自分の有利性を主張した契約内容になります。ビジネスはウィンウィンであるべき、とは性善説の考え方であり、多くの場合、自分により有利になる解釈・条件を書き並べる英文契約書では自分のウィンのみを考えていると言っても過言ではないでしょう。その様な背景で書かれた英文契約書に対し、自社側ではどの様に対応すべきかは重要であり、そこをいい加減にして契約サインをすると、将来に大きな禍根を残すことになります。
一方、和文契約書は英文契約書に比べ、短いものが多いです。契約書翻訳を請け負っていて常に感じるのは、日本と西欧の感性の違いです。一般に性善説的な感覚で書かれる和文契約書は、トラブル時には善意と誠意で持って解決しましょう、的な表現が多いですが、国際ビジネスの契約書ではこれは危険です。トラブルが起きる前の冷静な時に、万が一その様な紛争が起きた場合、どの様に対処するのかを決めておかないと、ビジネスが行き詰まるだけでなく、裁判になり多額の賠償金・補償金を請求されることもあります。
弊社では、英米法の専門知識と翻訳経験のある多くの翻訳者を擁し、皆様のビジネスのサポートを翻訳面で行なっておりますので、気軽にお問合せください。
今週は3件の契約書翻訳関連のご発注をいただきました。サービス関連企業様が1件、製造業様が1件、そして官公庁様が1件でした。誠に有難うございます。
新型コロナが中国武漢で初の発病者が認知されたのが2019年12月(他の説もありますが)です。すでに丸2年が過ぎました。全世界が同じ病気に同じ時期にかかるという経験は人類史上初めて、そしてネット技術が発展した現代では、世界中の多くの人がほぼ同時にコロナ関連のニュースに触れることができます。そして世界は一変しました。今世界で流行しているのはデルタ株で、さらにオミクロン株が南アと英国ではすでにデルタ株の患者数を上回っています。そして新規感染者数は最悪の記録を書き換えています。一方日本では、10月から緊急事態宣言を解除しました。それから3ヶ月が経ちますが、異常と言われるぐらい押さえ込みができています。多くの医学研究者がその理由を解明しようとしています。後付けでは、マスク着用とかファクターXとか言われますが、未だに正確なことはわかっていません。
私は所用があり10月末に米国へ出張してきました。メディアの情報で知ってはいたのですが、米国の空港を出るとマスクをしている人が殆どいませんでした。マスクを全員が着用している日本から行くと、この光景は驚きです。空港職員、ホテル従業員、レストランのウェイターなどは全員規則でマスク着用であり、入店時には全ての客はワクチン2回接種証明書を必ず確認されるプロセスは徹底していたのですが、利用客はノーマスクです。合理的に考えると、マスク無しの生活に戻るためにワクチン接種をしたのですから、マスクを着用しないことに抵抗はないのでしょう、と言うより、着用することが非合理的判断になるわけです。そして1週間後に日本へ帰国すると、空港へ降りた瞬間から全員マスクをしている光景に出会いました。これも世界レベルからすると異様な光景です。改めて異文化体験を致しました。
翻訳のご依頼の中にはコロナ関連の原稿も多くあります。特に医学関連、コロナ関連ビジネス契約書関連が2021年には増えました。例えば空気清浄機の需要が2021年前半には高まりましたので、それを反映して、空気清浄機本体や部品の購買契約書、販売代理契約書などの翻訳依頼をいただきました。
2021年は後2週間を残すのみになり新年が始まります。2022年にはコロナが治まり、世界中の人々が幸せな生活を取り戻すことを期待しています。
今週は4件の契約書翻訳関連のご発注をいただきました。一般企業様が3件、製造業様が1件でした。誠に有難うございます。
契約書翻訳においては広範な分野からのご依頼があります。ビジネス相手と商売を進めるにあたり契約書締結は必要欠くべからずの行為であり、双方の希望と条件を十分に協議・了解をした上でそれらを文字に起こして、ビジネス開始時に誠意を持って交わすものです。さらに契約期間を設けることでその期間中は契約で約束した事をお互い守って進める為にも、ビジネス開始時にできる限りの想定をし、それに対する対応を記す必要がございます。私自身のビジネス経験でも過去にあったのですが、歴史・習慣的にアジアでは、人と人の約束(契り)が一番大事であり、書面に書いた事は二の次との文化がありました。契約当事者が目を見てお互いを信頼し契約をする、よって文字に詳細を残す事は不要であったわけです。
それに対し欧米文化では、考え方が異なる人間同士が1つの目標へ向けてビジネスをするのであれば、互いの主張をぶつけ合い妥協し、その結果を明確に文字に残し、将来になってもお互いの約束事を認め合う必要がありました。農耕文化と狩猟文化の違い、或いは、同質な民族間での約束の仕方と異文化の民族間での約束の仕方とも言えるでしょう。どちらも正しいのですが、現在のグローバル化したビジネス環境では、考え方の異なる相手とビジネスを行う機会が圧倒的であり、その為には契約書という法的な方法でお互いの権利を守ることでビジネスを進める事が当たり前になってきました。
この事は、日本企業間での契約書のあり方と海外取引において欧米、特に米国企業との契約書のあり方を比較するとよく分かります。米国企業が草案した契約書はページ数が多いのが特徴です。そして自社の主張を事細かく記載しています。それに対し日本企業間での契約書は一般的に大枠は明確に記載されていますが、詳細については触れられていない場合が多く、もし将来紛争になった時にはその時に誠意を持って解決する的な書かれ方がされています。契約書翻訳を仕事とする立場からすると米国企業と契約を結ぶ日本企業はこの違いを十分に理解し、英語で書かれた契約書をその和訳を利用して咀嚼し、細かいところまで検討、反論すべきは反論して契約書最終版には将来へ禍根を残さない文面まで詰めることが大事であると日々感じております。
今週は3件の契約書翻訳関連のご発注をいただきました。官公庁様が1件、製造業様が1件、そしてファイナンシャルサービス関連金融機関様が1件でした。誠に有難うございます。
コロナが全世界的に発症し始めて2年が経ちます。正にこの2年間はコロナの影響が全ての国のあり様を変えてきました。これほどまでに世界の国々全てが、同時期に同じ要因で影響を受け、それに対応をせざるを得ないという経験は人類で初めてのことでしょう。過去にも世界的なパンデミックはありましたが、現代のように世界中がネットでつながり、グローバルロジスティックスの発達で人と物が自由に行き来できる時代でははありませんでした。それが今回のコロナパンデミックでは、世界中の情報を瞬時に知ることができ、人の往来でウィルスも数日で世界へ広がります。
でもいよいよコロナを駆逐し、次へ進む段階に入ったようです。経済のリバイタリゼーションを目指し、先進国ではコロナで痛んだ経済からの脱却を目指した対策が次々と打ち出されています。その1つが金融分野です。今週の契約書翻訳案件の1つでもその動きを察知した内容のご依頼でした。米国は最近になって人不足、インフレ懸念から来年には金融引き締めに舵を切りそうです。金利が上昇する予兆があり、それにより過去20年取られていたQEという市中に低金利のドルをどんどん流してお金の流れを促す政策からインフレ対策を一番に考慮する体制になりそうです。QEとは、Quantitative Easingの略で、量的緩和が日本語です。米国がこの政策転換を先週発表して以来、世界の主要国でもその動きに対応し始めています。株式市場も敏感に反応しており、世界のマーケットで株価が下がりました。
契約書翻訳の分野でもこの世相を反映した分野のご依頼が多くなるものと考えております。金融関連はもとより、販売・営業・製造業・サービス業などにおいても金融引き締めの影響を受けて事業形態の変化の必要があり、新しい契約でビジネスを進めることになるからです。
今週は4件の契約書翻訳関連のご発注をいただきました。法律事務所様が2件、石油輸入会社様が1件、そして投資ファンド会社様が1件でした。誠に有難うございます。
石油価格が高騰しています。新聞やテレビのニュースでも連日報道されています。今回の石油輸入会社様からの案件はこの実情を反映して、先物買いの価格に関する元売りとの契約改定の内容でした
石油の国際価格は過去を振り返ると、色々な理由により上下してきました。中東で戦争が起きるとそれにより石油生産が少なることを予想して高騰したこともあります。産油国の一部が自分の国の経済状況を改善するために増産を決めると、一気に下落したこともあります。産油国としては中近東諸国、メキシコ、ベネゼエラ、ロシア、北海油田を抱えるヨーロッパ、そしてアメリカです。アメリカは一大消費国であると同時に、シェールガスにより現在では世界最大の産油国でもあります。先日バイデン大統領は、先進国は石油備蓄を緊急放出してコロナから経済が立ち直る大切な時期に石油価格が異常に高騰することを避ける必要があると訴えました。でもよく考えると、自分の国が一番石油を生産しているのですから、まずは自分でやるべきでしょう。でもこのニュースが伝わると、価格が一気に下げに転じました。つまり需要と供給だけで価格が動くわけではありません。石油価格は政治的にも利用されてきた歴史があります。
日本はほとんどを輸入に頼っていますので、昔より石油価格と供給については神経質です。産業のほとんどのところで石油製品が使われています。多くの製品の原料に加え、発電の1部も石油燃料です。輸送に使われる車両の燃料はほとんどがガソリンです。普段生活面で見えないところにも多くの石油製品が使われれています。
この様に世界経済を理解するには、石油価格の情勢が大きく影響しています
今週は2件の契約書翻訳関連のご発注をいただきました。1件は不動産会社様から賃貸契約 書の英訳、もう1件は旅行会社様から団体旅行の詳細合意書の英訳でした。弊社は創業以来、日本語から英語訳のご依頼を多く頂いております。日本における翻訳は7割以上が外国語を日本語に翻訳する案件ですが、弊社の場合、約半分が英語へ翻訳するご依頼です。なぜでしょうか。
英語への翻訳で最も大事なことは、読み手が日本語知識のない方々であることを忘れない事です。世界の言語の中で日本語は独特の性質も持っています。主語をはっきり示さない文章、関節表現を好む文章、否定肯定文のような言い回し、等です。それらをそのまま英語に直しても、本当に日本語原文が言いたいことが、英語翻訳文の読み手に伝わりません。語学的には正しい翻訳になりますが、正しく意味が汲み取れず、さらには反対の意味で理解される場合があります。一般には意訳と言われていますが、直訳が良いケース、意訳でなければ意味が伝わらないケースの使い分けが必要になります。弊社では読み手が正しく理解できる翻訳をするには、英語を母国語として学んで、その環境で育った経歴が必要と考えています。そこで多くの能力のあるネイティブ翻訳者を抱えております。彼らは日本語力が高く、日本語検定試験最上級の資格を保持しています。その上で契約書翻訳の実務を長年手がけ、経験豊富です。同じ経験を積んだ日本人翻訳者でも契約書翻訳は可能ですが、上で述べた理由により、ネイティブ翻訳者と外国人翻訳者の英語感覚の僅かな違いが出来上がった英語翻訳文において大きな違いを生みます。この理由により弊社には英訳のご依頼が多く寄せられていると思います。これからも読み手の事を1番に考えた翻訳を心がけていく所存です。
今週は全部で3件の契約書翻訳関連のご発注をいただきました。発注者の方々、誠にありがとうございます。御礼申し上げます。
3件とも一般ビジネス関連の内容でした。1件目はビジネス相手との秘密守秘義務契約書で、新たにビジネスを開始する双方がどの様な情報を秘密条項とするかを定義し、その秘密を公開する側が相手に対して秘密守秘をさせる上での条件を示し合意する契約書です。条件の中には、期間、罰則、違反時の解決方法などが通常記されます。2件目は中国より輸入する食品について在日企業と輸出元との間の取引を開始するにあたりビジネス条件の詳細を合意する契約書でした。輸入量、輸出側の義務、輸入側の義務に加え、商品価格をどこで設定するか、発注ルール、発注後の流れなどを取引の前に合意します。契約段階であらゆる場面を考えて決めておかないと、いざビジネスがスタートしてから契約になかったことが生じると揉めることが多々ありますので、慎重に時間をかけて契約・合意内容を詰める必要があります。そして3件目も輸入関連のマスター契約書で、輸出側の条件、輸入側の条件を合意するもので、このマスター契約書の後に詳細条件として個別契約がその分野、商品ごとに付随される様です。ここでのポイントは個別契約の内容とマスター契約の内容にズレが生じない様にすることです。マスター契約ではビジネスごとの詳細を決めません。あくまでもビジネス当事者同士が大枠で契約を交わすのであり、商品、分野ごとに性質が異なる時にはそれらは個別契約で詳細を契約するのですが、時にはその詳細の一部がマスター契約から外れた条件になる場合があります。その時にはどちらの契約が優先するのかを決めておかないと、ビジネスが進んだところで揉めることになり、契約当事者同士の契約作成時での十分な討議が必要です。
今週は全部で2件の契約書翻訳関連のご発注をいただきました。ご依頼は2件とも教育関連企業様からでした。
英語教育は数十年前から文部科学省が支援金を出し、民間企業によるビジネスとしての促進を後押ししています。国際化という言葉は使われ出してからかなりの年月が経っていますが、国際化の大きなツールとして英語の習得があります。日本は義務教育で少なくとも中学で3年間、その後高校進学をすればさらに3年間英語を学びます。親の教育方針によっては、小学生レベル、さらには幼稚園レベルで英語を習わし始める家庭もあります。勉強する期間だけから判断すると、世界的にもかなり多くの日本人が英語に長い期間触れています。また民間企業では、英会話力を促進する為に有力企業がビジネスを展開してきました。ベネッセなどはその一社です。駅前留学、ノバうさぎなど流行語にもなるキャッチフレーズで英語会話の勉強をする機会を提供してきました。
でも、未だに日本人の英語力は低い、というのが私の見解です。日本語は英語などの西洋の言語体系と音、文の構造があまりに違うとか、日本の英語の先生がそもそも英語を話せないとか、日本国内では英語を使う必要がないとか、色々な理由はあります。さらに日本人の恥の文化からくる、間違った言い方をしたら(自分自身に対して)恥ずかしい、相手に失礼である、などの感性から正しい文章を組み立てられるまで英語を発声できないなどがあります。結果、目で見る英語の理解力はかなりあると思いますが、聞く力、さらに話す力があまりにも弱いです。私も長く国際ビジネスの現場にいますが、英語を母国語としている国は数カ国で、他のたくさんの国は全て自国語を持っており、それでもなんとか完成度の低い英語でコミュニケーションをとってきます。彼らの英語力は日本人のそれよりかなり低いですが、過去形とか正しい文章とかにこだわらず、自分の知っている単語を並べたり、自国語の単語を混ぜたりしても、とにかく英語(らしい)で発声し続けます。それでいいのです。
今週の2件のご依頼は、海外の教育機関と業務提携して日本で新しいメソッドで英語教育をするビジネスに関する契約書でした。ただ私の経験からは、新しいメソッドを導入するより、いかに日本人の完璧主義的な性格を英語を話すときには壊すことができるか、を英語を学びたい人達に理解させ、とにかくブロークンで良いので、どんどん話す癖をつけていくことがより重要と考えます。
今週は全部で3件の契約書翻訳関連のご発注をいただきました。内訳は、輸入会社様2件、法律事務所様1件でした。ご依頼ありがとうございます。
コロナの状況がここにきて大きく変化しています。世界のどの国も経験してない速さで新規感染者数が減少してきています。今までテレビでどの局も専門家先生をゲストに招き、コロナの話題で満載でしたが、減少傾向が著しくなりその原因も特定できないことから、専門家先生のテレビへの登場も一気に減少しています。そのような環境の中で、今週の輸入会社様からのご依頼のうち1件は、コロナ関連ビジネスを日本で展開するための米国企業との契約書の和訳でした。内容は守秘義務のため記せませんが、先を読む企業はコロナが世界的に収束した後を目論んで、次の一手を打ち始めているようです。ワクチン接種も3回目接種が現実を帯びてきました。それによりワクチン関連ビジネスは飛ぶ鳥を落とす勢いです。また今年年末には経口の治療薬も市販される可能性が出てきており、来年はいよいよコロナが当たり前の感染症になる年となるようです。
世界的なパンデミックにより、世界経済、国際関係も大きく変化しました。各国内でも旅行産業とそれに関連するビジネス、飲食業は大きなダメージを受けました。来年は海外旅行も再開されることから人の動き、経済の動きも活発化するでしょう。ただコロナ前の世の中に戻るとも考えにくく、新しいパラダイムシフトを十分に意識していく必要があると考えております。
今週は全部で3件の契約書翻訳関連のご発注をいただきました。全て企業様からのご依頼で、内訳は、介護関連会社様2件、出版関連企業様1件でした。ご依頼ありがとうございます。
介護関連会社様から連続で2件のご依頼になりましたが、日本は世界先進国の中で最も高齢者の人口比率が高い国です。高齢者とは満65歳以上の方々のことで、日本では全人口の中で約30%が高齢者になります。医学の発達により寿命が伸びたこと、病気の治療が進み余命が伸びたこと、団塊の世代が高齢者に数年前に加わったことなどの理由で2000年以降高齢者比率が高まりました。それによる色々な社会の歪みが表面化しています。年金、医療費、バリアフリー、高齢者施設、定年など解決できていない問題が山積みです。戦争がない時代では人口は急激に増減をすることはありません。たくさんある社会データの中では、将来が比較的正確に予想できる分野です。つまり20世紀後半より今の状況はわかっていたと言えます。それでもその準備ができていなかったのです。人間の叡智の限界でしょうか。介護という、高齢者が多くなれば必ず必要になってくる分野でも色々な問題を抱えており、今回のご依頼は欧州にいて、高齢者の社会の中での役割、福祉に焦点を当てた英語の報告書の和訳が1件、そしてもう1件はアメリカの年金に対する考え方と問題点に関するものでした。欧州ではイタリアが高齢者人口割合が高く、日本に迫る割合です。一方アメリカは若い移民が毎年多く流入していて先進国の中では高齢者人口がとても低いのが特徴です。ただアメリカでは、コインの裏側として、移民政策と対策が常に大きな社会問題となっています。日本でもやっと真剣に今日の問題として、高齢者に関するテーマが研究され、日本的対応が考えられ、実行に移され始めたようです。
今週は全部で2件の契約書翻訳関連のご発注をいただきました。内訳は、機械輸入メーカー様1件、おもちゃ卸販売業様1件でした。ご依頼ありがとうございます。
おもちゃ卸販売業様の案件ですが、昨年から1年半以上続くコロナの影響でおもちゃ業界も電子ゲーム機以外の従来のおもちゃについては販売が落ち込んでいます。このご依頼者は海外より幼児向けの人形やカードゲームなどを日本へ輸入し、全国の販売店へ卸している輸入販売業者様です。おもちゃの業界は1年の販売量の約半分がクリスマス時期になる為、夏の時期に海外のおもちゃ専門のトレードショーへ出かけ買付を行い、10、11月にそれらの商品が到着し、国内の販売店へ順次配送をしていくのが今までの流れでした。昨年はコロナの為海外へ出向くことができず、またトレードショーも中止になりました。その為、十分な仕入れができず販売も落ち込みました。今年に関しても夏の時期は世界中がコロナ対策をとっていた為、トレードショーの中止、渡航禁止になったため、昨年に続き仕入れができていない状態です。それでもクリスマス商戦はやってきます。現地へ出向けないのですが、今年はコロナの先が見えてきた為、それなりに日本国内のクリスマス商戦は動きがあるとの予想のもと、過去のつながりや、ネットなどで仕入れ商品を選別して輸入を試みている様です。そこでネットで新たにビジネスを始める海外のおもちゃ業者と契約書を交わすことになり、その翻訳のお手伝いをさせて頂いております。おもちゃの業界は中小企業が多く、それは海外でも同じです。マテルなどを除き、大手でない業者との契約は色々な条件を慎重に詰めていかないとリスクが高く、初めて大型の売買契約をする場合は時間もかかります。今回の案件も7月ごろより商談を始め、やっと契約に至った案件で、弊社としてはご依頼者様のビジネス成功をサポートできる様、最大の努力をしております。
今週は全部で8件の契約書翻訳関連のご発注をいただきました。内訳は商社関連が4件、教育機関が2件、官公庁が2件でした。多くのご依頼ありがとうございます。
商社関連のご依頼は海外メーカーの製品を輸入販売する際の代理店権についての契約書です。コロナが世界的にコントロールされ始め、来年にはかなり正常化する道筋が見えてきたことから、世界経済活動も動き始めてきたと感じております。これらの代理店権のご依頼もそのような流れに乗ったものです。教育機関様の中の1件は、アメリカの大学との連携に関するもので、アメリカの某有名大学の授業を日本でも展開するため、シラバスを和訳する内容でした。個人的経験からすると、アメリカの大学の授業が必ずしも日本より優れているとは思いませんが、合理的な考え方で教育制度が組み立てられており、単位の取り方などでは大いに参考になる、取り入れることでより密度の濃い大学授業の流れを日本において作り上げる事はできると思います。官公庁様のご依頼では、企業税務に関して改正があり、それらを在日本外国企業への理解促進を促すため、各企業と結ぶ契約についてでした。
今週はシルバーウィークの為、多くの企業で長期休暇を取っており、契約書関連のご依頼は2件でした。いずれも個人様からのご依頼で、海外より個人輸入をする際、売り手である海外企業との購買に関する契約書でした。
シルバーウィークに関してですが、日本は65歳以上の高齢者人口が30%近くに達しており、先進国の中ではもっとも高齢者人口が総人口の中に占める割合が高い国です。医学の進歩により平均寿命、平均余命が高くなる一方で、出生する子供の数が1夫婦あたり1.5人を割っている期間が長く続いていること、移民をほとんど入れない事から人口減少に2018年より傾向になり、結果老人人口の占める割合が高くなっています。米国は移民を多く受け入れているので(移民のほとんどは40歳以下)若年人口が増加し続けています。欧州各国は日本と米国の間に位置しています。高齢者人口は日本に次いで高い国も多く、その中ではイタリアが日本と同じ程度の率となっています。そして、これから中国が日本に追いついてきます。長年一人っ子政策を取ってきた影響で、若年人口が減り、一方経済的に豊かになり平均寿命が伸びたので、日本と同じように高齢者率が高くなってきています。日本の10倍の人口である中国なので、高齢者の人数はものすごく多く、これからの中国の福祉・年金政策などが世界経済へ与える影響は大きいでしょう。
翻訳という仕事は在宅でされる方が多いので、高齢まで仕事を続ける翻訳者の方も多く、皆様が仕事を続けられ、活気を持って人生を過ごされることが出来るよう、微力ながら翻訳会社としてお役に立っていきたいと考えております。
今週は全部で5件の契約書翻訳関連のご発注をいただきました。全てが技術関連契約書分野でした。ご発注ありがとうございます。
技術分野の契約書にはいくつかのパターンがあります。2つの会社が相互に技術を公開して利用し合う時、一方の会社が技術貸与する時(いわゆるライセンス契約です)、共同研究をする時、技術開発をする時、などです。その中でも多いのが、ライセンス契約です。技術を貸与する側がライセンサー、受ける側がライセンシーとなり、貸与する技術内容によって細かい料金設定と、どの様な利用を認めるかなどの詳細を契約書にて合意します。通常契約期間は1年間で、書面によりどちらかが解約意思表示をしない限り自動延長になるケースが多い様です。契約書の内容の書き方についても文化と商習慣が大きく影響しています。米国企業が起案してくる契約書はページ数が多く、ほとんど想定されない事態が起きたケースへの対応も含め細かく規定しています。特にライセンスの機密漏れに関する罰則規定は厳しく、中にはここまで言い張るのか、という内容の時もあります。反対に日本企業同士の場合、米国企業提案の契約書に比べ緩い規定の内容が目につきます。欧州企業の場合は、その中間でしょう。米国は訴訟大国でもあり、それにより多くの弁護士が活躍しており、自ずから契約内容が複雑かつ多岐に亘ります。英語契約書の和訳は多く依頼がありますが、弊社では契約書専門の経験豊富な翻訳者が担当することで、詳細内容を正しく、訳抜けのない、あわかりやすい日本語の契約書に仕上げる様努力をしております。
今週は全部で9件の契約書翻訳関連のご発注をいただきました。有り難う御座いました。契約書翻訳を主体とする弊社は皆様からのご依頼に誠意を持って、1件1件丁寧に翻訳作業をさせて頂いております。
さて、20年前の9月11日には、ニューヨークのワールドトレードセンタービルがテロにより一瞬で崩落しました。多くの方がテレビのニュースで、まるで映画を見る様に、その瞬間をご覧になったことと思います。私は当時海外に住んでおり、その瞬間を事務所のテレビの生中継で見ていたこと記憶に新しいです。2つあるタワーの1つ目にハイジャックされた飛行機が突っ込んだ瞬間は見ておりませんが、その速報がCNNで全世界に流れた為、私のオフィスのスタッフがテレビをつけ、2棟目への攻撃は生映像を見ることができました。私が生活して居たのはアメリカ圏であったので時差がありませんでした。従って普段の生活時間帯であった訳です。テレビを見た瞬間何が起きたか理解できない事、CNNのキャスターが大声で何が起きつつあるかを伝えていました。誰もが2機目の惨事をその時点では予想できなかった訳で、1機目の攻撃と煙を吐くタワーの映像に目が釘付けになっていた正にその時に2機目の攻撃があった訳です。私は1ヶ月ほど前にニューヨークを訪れワールドトレードセンターの最上階にあるレストランで食事をしていました。そのレストランも一瞬にして崩壊した訳で、私自身強いショックを受けたことをよく記憶しております。
今週はこの9.11関連の契約書翻訳依頼が2件ありました。2件とも出版物発行に関する出版権契約書案件です。今年は20年の節目の年になり、アメリカでもアフガニスタン撤退など今までにない動きが出ています。今後もテロとの戦いは終わることはないと考えますが、その負の影響を大きく受けるのはいつも現地の一般国民であり、人類の英知を絞り、どうにかこれらの人々が少しでも平和で幸せな生活を送れる様にしたいものです。
今週は全部で6件の契約書翻訳関連のご発注をいただきました。その中からハワイの不動産取引の契約に関しての翻訳案件をご紹介します。
ハワイの高額不動産は日本人に以前より人気があり、カハラ・ハワイカイ地区やワイキキ市内の高額物件取引の6〜7割は日本人が購入をしているとの事です。特にコンドミニアムの需要が高いです。最近完成したワード地区の高級コンドミニアムやアラモアナショッピングセンターに隣接して建つ物件などは円換算で数億円になります。加え、中古物件も数多く取引されており、中には築30年以上経つ物件であるにも関わらず、ロケーションが良ければ5千万円から1億円の値がつくこともあります。さて米国での不動産売買には多種の書類が必要であり、日本人購買者の多くは英語での契約書に不慣れで、契約内容の詳細を正しく理解できないことから、現地及び日本の仲介不動産業者は、主だった書類を和訳する必要が生じてきます。そこで弊社への依頼される事になるのですが、米国不動産業界特有の用語(エスクロー口座等)があり、米国不動産の経験を持った翻訳者が担当することで、質の高い和訳をお客様へ提供しております。不動産取引は金額が張りますので、契約内容を十分に理解しないで、或いは間違えて理解し、契約サインをすると先になって思わぬトラブルに陥る可能性があります。それは絶対に避ける必要があることから、英語をある程度理解される方でも、安全のために信頼できる和訳サービス業者に翻訳依頼をされることが大事になります。
弊社はハワイの翻訳業者とも提携しており、満足のいく翻訳サービスをご提供できます。
今週は全部で3件の契約書翻訳関連のご発注をいただきました。内訳としては、全て商社様からでした。
商社の仕事は大手商社様ではあらゆるビジネスを手掛けておられます。物の売買から、政府が絡む大型プロジェクト案件、さらに金融・フィンテックなどまで手広く仕事をされておられるので、契約書も多岐にわたります。一方中小の商社様においては、専門商社として特定のビジネス分野に特化されている場合が多いです。雑貨、食品、酒類、健康器具、医薬品、衣類、家具、通信機器、ソフトウェア、機械、不動産等などありますが、弊社で扱わせていただく案件では商社様が扱われる機械関連のライセンス、そして日本における販売代理権、製造委託権などの契約が多くを占めています。最近依頼を受けた案件の中で、世相を反映して、空気清浄機の輸入販売・サービスや消毒に使用する器具の委託製造に関する契約書がありました。ビジネスにはスピード感が重要ですが、契約書をきちんと精査して結んでおかないと将来に禍根を残すことがあり、その詳細な内容を1つ1つ吟味してまとめ上げる必要があります。どんなにビジネスをすぐにスタートしたくても、いま一歩踏みとどまって、納得のいく契約内容を織り込んだ契約書を作成することが長い目で見た時、必要不可欠です。
弊社はその理解の上に立って、お客様のビジネスパートナーとしてスピード感のある、そして高品質な契約書翻訳を提供することを社是としております。
今週は全部で5件の契約書翻訳関連のご発注をいただきました。お問い合わせ、ご発注されたお客様、誠に有り難うございました。内訳は司法書士事務所様から1件、法律事務所様から2件、そして製造メーカー様より2件でした。
その中で司法書士事務所様からの案件についてご紹介致します。司法書士の仕事は法律に関連する各種の登記になります。相続関連、不動産関連、そして会社登記などが一般的ですが、さらに成年後見業務、遺言書作成などがあり、法務省管轄になります。行政書士も同じく国家資格で書類の代書を行いますが、総務省管轄になっています。さて今回の司法書士事務所様からのご依頼は、米国の会社が日本に法人設立をする際の登記関連書類を正確に和訳して欲しいとの事でした。会社設立登記は全ての法人に必要とされ、必要とされる情報は定型化されていますが、今回の場合、米国の会社はケンタッキー州にてウイスキー関連のビジネスをしており、日本で必要とされる情報の一部をお持ちでありませんでした。それでも日本において法人設立を行うためには、日本のフォーマットに合った情報提供が必要です。弊社の本来の業務はお客様の原稿を高品質に翻訳する事ですが、司法書士事務所様に米国のお客様の本社と英語にてスムースにタイミングよくやり取りする英語力をお持ちの方がおられなかった為、弊社の担当者が間に入り、メール・電話でのコミュニケーションのお手伝いをさせて頂きました。結果、日本での登記に必要な情報がお客様に十分に理解され、今月中に登記が完了する見通しになりました。
必要に応じて、お客様のビジネスが円滑に進む様お手伝いさせて頂くのも弊社の翻訳サービスの一環としております。
今週は全部で10件の契約書翻訳関連のお問い合わせを頂き、4件のご発注をいただきました。お問い合わせ、ご発注されたお客様、誠に有り難うございました。
お問い合わせ頂いた案件の中で、コロナ対応でメディアにもよく登場する病院様からの案件がありました。この病院では海外の病院ともよく連絡を取られており、さらに世界中の研究者が報告を挙げるジャーナルに掲載されるコロナに関する研究論文も数多く病院内で共有されています。より早く、より多くの正しい情報を取り入れることで、日本における治療・対応に活かしていくためです。これらの海外論文や報告書の数が増えてきたことから、主要な発信源となる研究者、医師たちと直接意見交換を行う目的で、契約を交わしたいとの考えが起こり、そのプロセスを推進するために契約書翻訳の必要が出てきました。弊社としても社会貢献に大きく寄与する案件である為、会社あげて協力体制を敷き、できる限りのサポート体制にて臨んでいます。コロナの収束がワクチン接種で見え始めたと世界中が思い始めた矢先、より伝染力の強いデルタ株の蔓延でまた先が見えなくなりかけています。先進国では3回目のブースター接種を開始ところがある一方で、発展途上国では接種自体がほとんど進んでいないとう格差が日増しに大きくなり、世界的にこのパンデミックが収まるのが何時ごろになるのか、見えなくなっています。
翻訳会社として何ができるのか、を考えた時、今回の案件のように英語で発信される数多くの情報をより多く正しく、より多くの日本国民へ伝えることであると思います。全国の医療機関の皆様、英語情報の日本語化が必要な時には、特別体勢で関連案件に取り組んでいる弊社へお問い合わせください。
今週は全部で11件の契約書翻訳関連のお問い合わせを頂き、7件のご発注をいただきました。誠にありがとうございます。発注頂いた内容は、官公庁様より2件、法人様より4件、個人様より1件でした。
その中で官公庁様の案件について説明します。コロナが観光・旅行産業に与えている影響は世界的に甚大ですが、日本国内マーケットも業界が疲弊しています。GOTOキャンペーンが行われた昨年は一度盛り返しましたが、その後の第3波、4波ですべてのキャンペーンは中断しており、今後の再開も目処が立ちません。日本においてワクチン効果が出てくるのは、早くて年末、あるいは来年になるでしょう。そこでそのタイミングをターゲットに、疲弊した国内旅行業界の立て直しを、官民で図る目的で、計画立案が進んでおります。またその一部は海外旅行にも波及するため、資料の英語化も合わせて予定されており、翻訳会社として最大限の協力をしていきたいと考えています。観光・名所案内、宿泊施設紹介、交通機関利用情報などについて過去に多くの翻訳実績がございますので、弊社のサービスのご利用をお願いします。
今週は5件の契約書翻訳関連のご注文をいただきました。ありがとうございます。法人様より4件、個人様より1件でした。法人様の4件の内訳は、技術関連契約書1件、M&A関連契約書2件、マーケティング関連契約書1件です。
技術関連では、半導体製造装置の海外販売先とのライセンス契約、そして海外メーカーの通信機器関連製品の日本における製造特許に関する契約書の翻訳でした。コロナで冷え込んでいた製造業業界の動きが世界的に動き始めている様です。マーケティング関連では、国連が提唱するSDGsに関連し、ペットボトルに代わる新しい技術を用いたボトルの日本国内でのマーケティング・ブランディングを米国企業が日本の商社と共同で行う為の契約書の翻訳です。地球が未来への継続性を持ち続けるために解消していかねばならい、CO2削減、格差解消、ゴミ問題など17の課題に関するビジネスが大きく動き出しているので、今後SDGs関連の契約書翻訳のご依頼が増加すると考えています。
今週は後半が連休になった為営業日が少なく、弊社にて翻訳させて頂いた契約書関連の案件は2件でした。いずれも個人様からのご依頼でした。
1件は日本人女性からのご依頼でした。国際結婚を5年前にされ、その後カリフォルニア州で生活されていました。挙式はアメリカで行い、結婚届もカリフォルニアで提出されました。そして半年前から別居、話し合いの末離婚の決断になったとのことです。この女性は結婚される以前は日本で生まれ育ち、母国語は日本語です。お子様はおられないので、別居後、実家のある日本に帰国されています。今回離婚を正式に進めるにあたり弁護士に相談されたところ、カリフォルニア州の法律にて離婚を成立させる必要があり、離婚理由などをカリフォルニアの裁判所へ提出する書類作成のご依頼でした。少しでも有利な条件にて離婚成立をする為には裁判所の判断に好影響を与える訴えが必要です。弊社はあくまで翻訳会社なので文章の作成は致しませんが、日本語で書かれた資料を単に忠実に英訳するだけでなく、お客様の使用目的を考慮し、読み手であるアメリカの裁判所のジャッジを想定し、この分野の経験豊富なネイティブのアメリカ人翻訳者(アメリカ在住)を中心に翻訳を進めました。今回のケースでは、依頼者本人、弁護士事務所、翻訳会社が良い連絡を取り合い、翻訳が使われる目的を明確にした上で、より訴える力のある翻訳物に仕上げていくことが重要になります。
今週弊社にて翻訳させて頂いた契約書関連の案件は全部11件でした。たくさんのご発注誠に有難うございます。今週多かったのが、法律事務所様からの案件でした。11件中7件を占めました。
日本にはおよそ18000の法律事務所があり、4万人以上の弁護士資格を持った方がおられます。そして約半分の弁護士が東京の弁護士会に所属されているとのことです。東京の中でも霞ヶ関近くにある虎ノ門近辺には多くの弁護士事務所があります。弊社のお客様の弁護士事務所様も虎ノ門近辺に事務所を構えておられる方が約半分です。
さて弁護士事務所と契約書翻訳ですが、国際取引を行う企業の方々は日々海外提携先と色々なビジネスを行っており、多くの契約書を交わしています。委託契約書、基本契約書、代理店契約書、業務提携契約書、売買契約書、不動産賃貸契約書、重要事項契約書、秘密保持契約書、販売契約書などなどたくさんの種類がありますが、契約内容に不備がない様に法律面でのサポートを行うのが弁護士・弁護士事務所の役割です。企業弁護士の方々が多くのクライアントと仕事をされており、海外提携先から送られてくる契約書の和訳業務、反対に日本企業側で作成された契約書の外国語への翻訳業務が発生しますので、それらを引き受けるのが翻訳会社の仕事になります。割合としては外国語(主に英語)から日本語への翻訳が8割、日本語から外国語(これも主に英語)への翻訳が2割程度になります。理由としては日本が海外より日本へ持ち込むビジネスが多いことが挙げられます。外国製品の日本における販売、製造、海外ビジネスモデルの展開などです。契約内容を十分に理解し正しい経営判断をするためには、質の良い翻訳が必要であり、弊社全員それに応えるべく、日々勉強に励んでいます。
今週弊社にて翻訳させて頂いた契約書関連の案件は全部で3件でした。ご発注頂いたクライアント様には誠に有難うございます。内訳としては、全て製造メーカー様からで、2件が海外から輸入する機械のマニュアルの日本語訳、そして1件は日本メーカー様が輸出する通信機器の英語マニュアル化のための英訳でした。
マニュアル翻訳は技術翻訳分野の中で多くの割合を占めています。その8割以上は外国語から日本語への和訳です。外国語の内9割が英語原文であり、その他1割程度がドイツ語、フランス語、そして中国語になります。つまり海外から輸入する技術関連商品・製品のマニュアルが主になる訳です。世界共通語は英語なので、英語圏以外の国から輸入する場合でもマニュアルが英語になっていることがほとんどでしょう。最近は中国からの輸入があらゆる分野で増加していますが、中国側にとってみても世界中に輸出するためには英語でマニュアルを作成しておけば、どこの国へも同じものを使えるので、考えてみれば当たり前です。
マニュアル翻訳で気をつけることの第一は、専門用語を正しく翻訳することです。当たり前の様ですが、翻訳者から見ると一番気を使うところです。専門用語も新しい用語が次々と作られるので、ネット検索や専門用語辞書などを用いて、常に正しい翻訳をする様心がけています。その次に気をつけるのは英語を日本語に置き換える場合、カタカナで英語読みのまま日本語文の中に挿入するのか、アルファベットで挿入するのか、あるいは日本語にして挿入するのかです。例えばPCという英語が原文にある時、これはPersonal Computerの略ですが、翻訳和文にした場合、PCのままにするのか、ピーシーの様にカナにするのか、個人用コンピューター或いは、パソコンにするのか、或いはコンピューターなのか、選択肢が複数あります。どれも間違いではないでしょう。ただ全体の流れの中でどの用語を採択するかにより、翻訳和文の完成度の高さ、品質に影響を及ぼします。お客様の中には、専門用語集を原文と一緒に用意され、翻訳用語を指定される方々がおられます。その場合は翻訳者は迷わずそれらを使用致しますが、ほとんどの場合は用語集がないため、翻訳者の判断に任されることになり、翻訳者がその能力を発揮する場になります。
今週弊社にて翻訳させて頂いた契約書関連の案件は全部で6件でした。ご発注頂いたクライアント様には誠に有難うございます。内訳としては、法律事務所様から3件、中小機械メーカーから2件、残り1件は個人様でした。
今回は法律事務所様からのご依頼について説明します。弊社は数多くの契約書翻訳案件を全国の法律事務所、税理事務所、行政書士事務所、司法書士事務所、会計事務所様より頻繁に依頼されております。その中で特に多いのが法律事務所・総合法律事務所様からのご依頼です。最終クライアント様より売買契約書、代理店契約書、ソフトウェアライセンス契約書、秘密保持契約書、合意書、覚書、などで英訳が必要とされるもの、或いは相手先より英文にて受け取った契約書関連書類の和訳が必要とされる案件です。分野としては一般ビジネス、結婚離婚関連、養子縁組、研究開発、法廷提出資料、裁判記録、奨学金申請、海外留学書類、戸籍謄本、など大変幅が広く、翻訳を担当する翻訳者が知識・経験・実績を十分に活かす必要があります。その為に弊社では同じ契約書翻訳でも、それぞれ違った経験を持っている翻訳者を揃えております。
この様な例がありました。弊社へのご依頼は東京虎ノ門で開業されている法律事務所様からでした。最終クライアント様は以前アメリカで結婚・生活をし、現在は離婚調停を裁判している日本人女性でした。すでに別居状態がしばらく続いており、実家である日本に一時的に戻った折に、知人の紹介で日本の法律事務所へ相談に来られたそうです。この女性はアメリカ人であるご主人と離婚を望まれており、その離婚理由として自分の側が受けた虐待・被害・精神的苦痛などを訴えて離婚訴訟を有利にしたい考えでした。ただ裁判が行われるのがアメリカの裁判所であり、日本的な訴え方ではアメリカの裁判官に正しく訴えが伝わりにくい為、弊社の翻訳者チームの中で米国での弁護士資格を持ち、多くの家庭裁判案件を担当した実績のあるネイティブ翻訳者が担当致しました。翻訳は大原則として原稿を忠実に翻訳します。翻訳者の考えで原文内容を変更する事はありません。ただこのケースではネイティブ翻訳者がその経験から、明らかにアメリカの裁判所が理解できない表現については、法律事務所の担当者と意見を交換しながら日本語原文を変更した上で、忠実な英訳を行いました。
今週お問い合わせ頂いた契約書関連の翻訳依頼は3件でした。技術系法人様1件、医療法人様2件です。この中で、機械系商社様からのご依頼についてご紹介いたします。日本の商社とイタリアの機械メーカーとのご契約で、イタリアから機械を輸入し日本にて販売するビジネスに関する契約です。このような契約書は一般に広く交わされるものですが、今回の契約書の特徴は契約の中に詳細な金額、それも起こり得るあらゆる可能性を仮定して、それぞれの仮定の下での計算を施し、全ての数字を本文中に記しているものでした。よくある記述方法は、Appendix(補遺とか添付資料として)金額や数字のリストを作り契約書本文の後に添付する方法です。今回のケースでは例外的ですが、本文中にこれらの詳細金額が書かれている事で、原文(英語)の文章構造が通常の契約書に比べ、複雑になっており、分かりにくい、翻訳者泣かせの案件でした。翻訳の原則として、原文に忠実に翻訳を進めますので、翻訳者が他の表示方法の方が理解しやすいと考えて文章自体と大きく変更し(極端な場合作表するとか)、それで翻訳を進める事はありません。ただ複雑で長い文章を分割して翻訳文を作る事はあります。契約書翻訳作業で翻訳者を悩ませるのは、どこまで変えるべき(意訳含め)の判断です。ご依頼をされた日本企業様内部では、日本語契約書(翻訳されたもの)のみを読まれる事がほとんどです。そしてその契約書が読み難い文章になっていたとすると、“翻訳が悪い”との印象を持たれることもあります。ほとんどの場合、原文がそうなっているので、それを最大限反映しているのですが、原文に目を通さない日本側企業様ではそれがわかりません。結果、翻訳を依頼した担当者様よりクレームが付くこともあり、本当に難しい課題となっております。
これらのクレームには弊社では精一杯丁寧かつ具体的に翻訳方法を説明し、お客様のご理解を頂いております。
今週お問い合わせ頂いた契約書関連の翻訳依頼は5件でした。技術系法人様3件、医療法人様2件です。
医療法人様の案件は多く引き受けているビジネス関連の契約書と違い、日本の医療法人様と欧州の医療法人様の間での共同研究についての契約書でした。双方が何を目的に研究を行うのか、研究機材をどの様に調達するのか、研究員とその費用をどの様に負担するのか、研究結果はどこに帰属するのか、守秘義務をどの様に規定するのか、など共同研究における必要事項の詳細を合意するものです。20ページに及ぶ契約書で、医学用語を扱える契約書豊富な実績のある翻訳者が翻訳する事で、お客様のご満足のいく納品ができました。
さて契約書ですが一般文書に比べると難しい言葉で書かれていることが多いとの印象をお持ちの方もおられると思います。どうしてでしょうか?それは争いが生じた時に、不利にならない様に色々と起こるであろう事象を想定して書かれる為です。従って契約書原稿を書いた側が有利になる様な意思を持って書かれることが普通です。特に米国の企業が作成する契約書はこの傾向が強いです。同じ様な単語を使用したり、同じ様な表現や言い回しを繰り返したりします。法律の条文が時に難解であるのと同様、契約書の条文もくどい言い回し、専門用語の羅列、裁判になった時に判断が曖昧にならない様な書き方をする為、難解な文章が多い傾向にあります。口語風にわかりやすく書けないものかと思われる方もおられると思いますが、置き換えると意味が変わったり、書き手の意思と違う内容に受け取られることもある為、そしてそのリスクを避けるために、どうしても硬い表現になります。米国企業から受け取った英文契約書は経験豊富な翻訳会社に和訳を任せることが、日本企業内で正しい理解をする上で、大変重要になります。
今週の契約書翻訳のご依頼は5件でした。官公庁様から2件、貿易会社様より3件で、個人様はありませんでした。官公庁様からの2件のうち1件は国土交通省様からの案件で、オリンピックがらみの輸送ロジスティックスに関する契約書でした。いよいよオリンピックが開催されようとしています。過去に例のない環境下での開催になりますが、世界の人達がスポーツを通じてより理解し合い、パンデミック後の発展につながることを期待しています。
さて、契約書の翻訳についてです。契約書には多数の専門用語がありますが、一般にその数は多くて800〜900用語と言われています。支払い条件、不可抗力、守秘義務項目、仲裁合意、準拠法、などです。これらの用語を正しく訳すことがプロ翻訳の基本になります。一般用語と違い、殆どの用語に対して決まった表現があるので、それを熟知した翻訳者に依頼することが、間違いのない契約書翻訳を手に入れるコツです。日本における契約書翻訳は70%ほどが英語から日本語へ、残りの30%が日本語から英語への翻訳です。つまり日本の会社が日本でのビジネスを展開する時に海外提携先よりそのビジネスに関する契約書を受け、ビジネスをスタートする際に締結されるケースが多いことになります。海外企業が提示してくる契約書は当然英語文化で書かれています。特にアメリカ系企業の場合、契約の基本条件から将来起こるであろう課題を想定して、その場合どうするのかを詳細に記載してくる場合が多いです。大型案件の契約書の場合、数十ページに渡ることは当たり前で、分かりにくい文章で書かれることもあります。基本は自分達の側がより有利になることを前提に、いろいろな想定に基づき、その想定下での対応が書かれるのですが、東洋的文化に立つならそんなに疑うのであればビジネスをしなければ良いのでは、と考えさせらることもしばしばです。対比的に言うなら、東洋的文化では、信頼が基本であり、全てはその信頼にも続き進めるのだから、先になって問題が生じたらその時に心開いてより良い解決を見出そう、になります。日本のみならず、中国、アジアの多くの国ではこの思想が通じることが多いですが、西洋文化(英語文化)ではそうはいきません。
この大前提を踏まえた上で、弊社の経験豊富な翻訳者達は翻訳された契約書の読み手が、本意を取り違えることが無い様、最大の努力をしております。
早いもので2021年も6月に入りました。コロナワクチン接種が本格的に進み出し、先が見えてきた事で、翻訳全体の動きも回復基調にある様です。
今週は契約書翻訳関連では6件の成約をいただきました。有難うございます。1件1件、丁寧かつ高品質の翻訳をさせて頂きます。内訳は、工作機械関連メーカー様より2件、IT関連企業様より1件、大学関連様が2件、そして個人様が1件でした。
工作機械メーカー様の案件をご紹介します。工作機械製造のために中国の部品メーカーより2千万円ほどの部品を購入する際の購買契約書の英文和訳がご依頼でした。購入部品表一覧と購入に関する条件詳細が細かく記載されています。価格条件、船積み港、梱包条件、保険、支払い条件、配送計画、船積み条件、例外規定、クレーム時の対応など、先になって問題が生じない様、貿易の基本条件をお互いにビジネスを始める時点にて合意するものです。英文にて正規契約書が最初に存在する場合、和訳はあくまで日本側企業が内部確認資料として使うもので、法的には効力がありません。問題が起きて裁判などで争うときには、英文に書かれていることが判断基準になります。しかし現実には日本企業様社内にて英文契約書のみで決済を進めることはほとんどなく、日本語訳資料が判断材料になることがほとんどのケースです。その上で、本契約書である英文契約書に日本側企業責任者が署名することになります。
従いまして、翻訳の品質がとても重要になります。弊社では日本企業様が間違った判断をされない様、英文契約書で述べられている内容を十二分に理解した上で、分かり易い和文に翻訳出しをしています。契約書によっては数行に及ぶ長いワンセンテンスの英文がある場合があります。直訳すると、何を言いたいかわからない日本文になることがあります。そこで和訳を作る際、複数の文に分けて語順を入れ替えるなどして、日本人として読んだ時に、意味がボケない様工夫をしております。
契約書翻訳について豊富な過去実績のある、弊社の契約書翻訳を是非ご利用願います。
今週お客様より頂きました契約書関連翻訳案件です。今週は7件のご依頼を頂きました。誠に有難うございます。言語は英語から日本語が5件、日本語から英語が2件で、内訳は企業様4件、学校様2件、個人様1件でした。
これらの中で特にご紹介したい案件が、大阪に本社のある大手電機メーカー様からのご依頼です。内容はアジア数カ国で新規ビジネスを展開するに当たり、電機メーカー側からのビジネス条件を詳細にまとめた契約書です。現地パートナーに諸条件を明確に理解してもらい、同意を頂きビジネスを進めるのに必要不可欠であり、将来に双方の理解の違いから起きる言い争いを防ぐ為にも、ビジネスの背景を理解し、それぞれの言語で正しく理解される翻訳が必要とされます。
今回はこの翻訳作業にあたり、契約書翻訳歴が20年以上ある日本語に堪能な英語ネイティブ翻訳者が担当致しました。多くの翻訳会社で日本人翻訳者が英訳し、それをネイティブが英語チェックする方法を採用しています。弊社の場合反対に、英語ネイティブが日本語を十分に理解し、その上で最初から英語発想で英文を構築・翻訳します。これにより日本語的英語な文章がなくなり、日本語が全わからない現地の方々が理解をする時、より自然に理解できます。
弊社の役割はお客様が円滑にビジネスを進めることができる様にサポートさせて頂くことです。年間数百件の契約書案件の翻訳をさせて頂いておりますが、1つ1つを丁寧に扱い、お客様のお役に立つことを信条としております。